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「お礼とか言うのやめてよね。友だちの心配するのは当たり前のことでしょ?」
そう言って屈託なく笑う彼女に私は暫し眼が奪われる。
―――この子はなんてキレイに笑うんだろう……。
虎汰と同じ金髪の虎子ちゃんはちょうど窓から射し込む朝日に照らされ、まるで彼女自身が輝いているように見える。
―――ん?でも待って…今、虎子ちゃん私のこと友だちって言った?
びっくりしてその場に立ち止まり、ちょっと背の高い彼女を仰ぎ見ると虎子ちゃんはプッと吹き出し、それからコクンと小首を傾げた。
「なに?私はもう友だちのつもりでいたけど、チィは違うって言うの?」
照れ隠しなのか鼻の頭を掻き、少し怒った風に口を尖らせる。
そんな仕草も可愛らしいなと思ってしまった。
「……いい…の?…私なんかが友だちで……」
半信半疑で尋ねたら彼女は更に怒った顔をした。
今度は鬼の形相だ。
虎子ちゃんの表情はクルクルと忙しなく変わる。
「“私なんか”なんて言わないでっ!今度また言ったらブツよ!? つか、私はチィがいいのっ!! 他の奴らはお断りっ!! わかった!? 」
「……うん…うん、ありがとう……虎子ちゃん」
物騒な事を言われ、頬を軽くツネられながら怒られているのにちっとも怖くない。
生まれて初めてできた友だち……。
それは温かくて優しい存在なのだと、私は初めて知った。
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