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私は至って真面目に答えたつもりなのに、けれど煌騎は何故か突然そっぽを向き、クックッと笑いを噛み殺すように肩を揺らし始めた。
ワケがわからずまた首を傾げてみても、彼は理由を話してくれそうにない。
拗ねてぷくぅっと頬を膨らませたがそれも効果はなかった。
「お前は何も知らなくていい。今はまだ…な」
その場を誤魔化すようにまた頭をくしゃっと撫でられたが、煌騎に頭を撫でられるのは大好きなので私はそのまま大人しく目を瞑る。
そんな私たちを周りの皆は温かい眼差しで見守っていたのだけれど、彼の優しい手の感触に浸っていた私は気付かない。
「じゃあ…誤解も解けたことだし、改めて自己紹介でもしようかな?」
そう言って徐に“健吾さん”に話し掛けられ、私は慌てて瞼をパチリと開けた。
いけない、いけない!! 気持ち良すぎて危うく眠ってしまう所だった。
目が合った彼にはクスリと笑われてしまう。
「俺はこの近くで開業してる小さな病院の雇われ医師、茨 健吾(イバラ ケンゴ)だ。ここにいるメンバーとは古い付き合いでね♪俺もキミのことチィって呼んでも構わないかい?」
「あ、はい!よろしくお願いします!!」
「アハハ、タメ語でいいよ♪ここで俺に敬語を使う奴なんて和之以外いないからね☆」
フランクに話してくれる彼は、とても親しみ易い性格の持ち主のようだった。
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