最強伝説

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. “制服”……“学校”……ん?“学校”ッ!? “学校”ってあれかな、いっぱいお友だちが作れる所かな? “お勉強”もするんだよね? た……楽しそう……ッ!! パアッと顔を綻ばせたら皆がクスクス笑い、流星くんが満面の笑顔で言った。 「俺らその顔が見たかったんだよ♪」 「……苦労も吹き飛ぶ」 珍しく朔夜さんまでが笑って私の制服姿を喜んでくれる。 とても嬉しいのに急に目頭が熱くなって、ソファに座る煌騎の胸にボスッと勢い良く抱きついた。 「………チィ?」 突然の行動に驚く彼と周りの皆……。 でも顔を上げられなくて厚い胸にしがみついていると、健吾さんがまたクスリと笑った。 「チィは嬉しすぎてどう表現すればいいのかわからないだけだよ」 「あぁ、なんだ…びっくりした。学校に行くの嫌なのかと思ったよ」 「―――ち、違うよっ!?」 安堵してぼそりと呟く虎汰に私はバッと慌てて顔を上げ、それを断固として否定した。 行きたくないワケがない。 だってずっと“学校”っていう所に行くの、楽しみにしてたんだもん。 だけどどんなに望んでも行かせては貰えなかった……。 .
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