1036人が本棚に入れています
本棚に追加
.
“制服”……“学校”……ん?“学校”ッ!?
“学校”ってあれかな、いっぱいお友だちが作れる所かな?
“お勉強”もするんだよね?
た……楽しそう……ッ!!
パアッと顔を綻ばせたら皆がクスクス笑い、流星くんが満面の笑顔で言った。
「俺らその顔が見たかったんだよ♪」
「……苦労も吹き飛ぶ」
珍しく朔夜さんまでが笑って私の制服姿を喜んでくれる。
とても嬉しいのに急に目頭が熱くなって、ソファに座る煌騎の胸にボスッと勢い良く抱きついた。
「………チィ?」
突然の行動に驚く彼と周りの皆……。
でも顔を上げられなくて厚い胸にしがみついていると、健吾さんがまたクスリと笑った。
「チィは嬉しすぎてどう表現すればいいのかわからないだけだよ」
「あぁ、なんだ…びっくりした。学校に行くの嫌なのかと思ったよ」
「―――ち、違うよっ!?」
安堵してぼそりと呟く虎汰に私はバッと慌てて顔を上げ、それを断固として否定した。
行きたくないワケがない。
だってずっと“学校”っていう所に行くの、楽しみにしてたんだもん。
だけどどんなに望んでも行かせては貰えなかった……。
.
最初のコメントを投稿しよう!