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煌騎の言葉に私はパアッと目を輝かせて顔を綻ばせた。
「―――いいのっ!?」
「フッ、もう目が覚めたしな。それに昔、何かの本で小動物に“お預け”を教えるのは難しいって読んだ記憶がある」
「むうぅっ、私は小動物じゃないもんっ!」
せっかく心から喜んだのにまた茶化されて素直にお礼が言えなくなる。
煌騎ってホントにイジワルだッ!!
でも直ぐにウソだと言われ、宥めるように頭をいい子いい子されたから機嫌は直った。
「今朝は何が食いたい?今ならまだ変更が効くんじゃないのか?」
サイドボードの上にある時計を見ながら
煌騎が言い、トロンとなっていた顔をぴょこんと上げる。
たぶん私に動物のような耳があったなら、その声に反応してピクピクと動いてただろう。
「―――昨日のオムレツ!私、あれが食べたいっ!!」
「そうか…。だが和之のことだからソレ、今日の朝飯にも入れてくれてると思うぞ?」
嬉々としてリクエストを唱えれば、煌騎は堪らずといった感じで吹き出した。
あまりに興奮し過ぎて彼の服の袖をぎゅっと掴んだので、その姿が可笑しかったらしい。
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