学校は危険がいっぱい

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. ******** 「チィ、準備できた?」 朝食が済んだ後、今日も虎子ちゃんが倉庫に来てくれて慣れない着替えを手伝って貰い、いざ学校へ行くことになった。 学校指定のカバンに貰った筆記用具も入れたし、支度はバッチリだ。 カバンを胸に抱き締めながら、尋ねた虎汰に向かって勢いよくコクンと頷く。 「よし、じゃあ行くかっ」 それを見ていた煌騎がゆっくりソファから立ち上がり、皆に号令を掛けた。 その声で一斉に和之さんたちも席を立つ。 今日初めて彼らの制服姿を見たけど、皆それぞれ同じ制服とは思えないほど個性的に着こなしていてとても素敵だ。 校則で貴金属は身につけられないことになっているが、元からそんなもの彼らには必要ない。 彼ら自身が光り輝き、何よりも価値があるから……。 けどその中でも煌騎は日本人離れした容姿の所為か、まるで雑誌からそのまま飛び出したモデルのように飛び抜けてカッコ良かった。 暫し私は彼に見惚れる。 すると虎子ちゃんに背中を軽く押された。 「ほらほら、チィ!煌騎くんに見惚れるのはいいけど脚止めないで♪学校に遅刻しちゃうわよ☆」 そうニヤニヤ笑いながら言ってぐいぐい外まで連れていかれる。
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