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追いやられるように大きな鉄扉の横にある人が通る為の小さい扉を潜ると、目の前にはよくハリウッドスターやセレブ等が利用するリムジンが横づけされていた。
彼らに初めて会った時とはまた違う高級車にまさかと思い後ろを振り返るけど、皆は私を追い越して当然のように車に乗り込む。
「ね、ねぇ、もしかしてこの車……」
「ふふ、もちろん煌騎くん所有のよ?」
横に並ぶ虎子ちゃんに恐る恐る尋ねると、彼女はクスクス笑って答えた。
確か昨日、買い物に出掛けた時の車も高そうな車だったのに、まだ他にもあったんだ……。
私は声もなく驚いた。
「これくらいで驚いてたら身が持たないわよ、チィ?」
「それって、どういう意味……?」
「んー、まぁ…学校に行けばわかるわ♪さっ!車に乗ろ乗ろッ☆」
「え、えっ、え~~~っ!?」
虎子ちゃんは軽くはぐらかせると私の肩を叩き、半ば強引に車内へ押し込めた。
中は驚くほど広く、L字の座席は男5人に後から加わった私たち二人が入っても、余裕で寛げるようなスペースになっている。
既に乗車していた虎汰と流星くんが手招きして二人の間に座るよう言う。
けど虎子ちゃんはやっぱりそれを却下した。
「残念だったわね、チィの指定席はもう決まってるの!はいっ、煌騎くん♪」
まるで荷物のように彼女はポイッと私を煌騎の隣りに放り込む。
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