学校は危険がいっぱい

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. 「………和之、奴らが動き出したらしい。警戒は怠るな」 煌騎は校舎の一点を見つめたまま、険しい表情で左隣りを歩く和之さんにぼそりと呟く。 すると彼は短く“うげっ”と唸って顔を顰めたけれど、直ぐに煌騎の目線の先に気づき深刻な面持ちで頷いた。 「了解!まったく…懲りないな、あいつら……」 「………? ねぇ煌騎、あいつらって?」 傍でそれを聞いていた私は、なんだか穏やかじゃない雰囲気に首を傾げる。 釣られて彼らの見ている方を振り向けば、東棟のあまり人が来なさそうな5階角の窓際に、はっきりとは見えないが二人分の影があった。 それはこちらを見下ろしているように見える。 目の錯覚かもと思ってもっとよく見ようとしたら、後ろからやって来た虎汰と流星くんに両腕をガシッと掴まれ強制的に前へと進められた。 「ほら、チィ♪ 足は止めない☆」 「サクサク行くぞ!もう健吾さんは理事長室に着いてるらしいからな♪」 「えっ、あ、う…うん……」 窓辺の人影は気になるが健吾さんの名前を出されたら従うよりない。 私は後ろ髪を引かれる思いで虎汰たちに引き摺られるようにしながら、皆と昇降口へ向かったのだった。 .
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