学校は危険がいっぱい

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. 《???side》 「……クク、こっち睨んでる睨んでる♪」 ここは東校舎5階の隅にある旧理科準備室……。 誰も使わなくなって久しいこの教室は学園の2大勢力の1つ、白鷲とも敵対している県内No.2の暴走族“蛇黒”(ジャコク)のたまり場と化している。 だが今は人払いされ、窓際で上機嫌に外を眺めている我らがチームトップの常磐 亜也斗(トキワ アヤト)と、その補佐役の俺、吉良 悠真(キラ ユウマ)の二人だけだ。 声に反応してこっそりカーテンの隙間から外を覗けば、あの冷静沈着な白銀が鋭い眼差しでこちらを見上げ睨みつけていた。 瞬間、遠く離れてろくに表情も見えないのに奴と目が合った気がして、背筋に冷たいものが流れる。 「ん~、だけど残念だな…。思ったより薫子ちゃんあんま良い働きしてくんなかったね~」 不意に横から亜也斗は“彼女にはがっかりだよ”と呟き、無造作に紫色をした奇抜な髪を掻き上げてこちらに顔を向けた。 細長く吊り上がった瞳はまるでチーム名にもある本物の蛇を連想させ、長年こいつとは連れ添った仲だがさすがに気味が悪いと思ってしまう。 完全に何か良からぬ事を企んでいる時の眼だ。 そもそも白銀の前にあの女を差し向けたのはこの男の仕業だった。 もともと転校生の世話をするのが習わしとは言え、生徒会長自らが出向くようなことはまずない。 藤嶺には手足のように動かせる人間が大勢いるからだ。 なのにこの男は言葉巧みに惑わし、彼女の恋心を利用してわざわざ人の目が集まる昇降口前まで行くよう仕向けたのだ。 .
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