学校は危険がいっぱい

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. 単なる挨拶を兼ねた嫌がらせだと奴は嘯いていたが、実際のところ何を企んでいるのか俺にはまったくわからなかった。 「……いいなぁ、俺もあんなオモチャ欲しいよ♪」 「―――はっ!? オモチャって、まさか……ッ」 「ホラ、あのちっこいの…。丈夫で遊び甲斐がありそうじゃない?」 そう言って亜也斗はサディスティックに微笑むと、陣馬と美月に挟まれて強制的に前へ歩かされている小柄な女に目線を移した。 そいつは確か数日前、白銀自らが何処からか拾ってきたと下の者の報告では受けている。 だがどんなに手を尽くしてみても、俺にはあの女の素性を調べ上げることはできなかった。 まるで国家機密並みに情報が管理され、その片鱗ですら触れられないのだ。 それを施したのが白銀の指示によるものなのかどうか定かではない。――が、“白鷲”には天才的なハッカーの小城がいる。 できない話ではない……。 だとしたらあの女の後ろには、何かヤバい組織が絡んでいるに違いなかった。 不用意に手出しするのは危険すぎる。 下手をすればチームにとって不利な状況に成り兼ねない。 「亜也斗、ダメだ!あれには手を出すなッ!! あの女の素性はまだッ―――…」 「フフン♪ダメだと言われると余計に欲しくなるんだよな~☆」 直ぐさま忠告するも、亜也斗は俺の言葉を遮ってさっさと出口に向かってしまう。 そしてスライド式のドアに手を掛けるとゆっくり開け放ち、けれど立ち去る間際にこちらを振り返った。 .
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