学校は危険がいっぱい

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. 「もういい、和之。それ以上は相手にするな」 煌騎は深い溜息と共にそう言い捨てた。 彼らの脇で威嚇するように立っていた流星くんや虎汰にも視線を送り、瞳だけで彼らの行動を抑制する。 当然皆は渋い顔をしたが、煌騎は構わず私を抱いたまま鷲塚さんの前に一歩踏み出た。 「………今夜、屋敷に行く。それでいいだろ、愛音。いい加減そこを退け」 「フフ、さすが煌騎ね♪私のコトがよくわかってる☆それじゃ今夜、待ってるわ」 苦虫を噛み潰したような顔をする彼に対し、鷲塚さんは至極嬉しそうにはしゃぐ。 わざと周りに見せつけるように煌騎の肩に手を置き、粘着質に触れて彼女はニコリと笑った。 そして勝ち誇った眼差しを私に向けてその場から立ち去っていった。 後に残るのは彼女のキツすぎる香水の残り香と、悔しげに響く皆の歯軋りの音のみ……。 私はこれから何か善くない事が起こるような予感に襲われ、胸が苦しくなってそのまま俯いてしまう。 その様子をじっと煌騎が心配そうに見ていたのだけど、考え込んでしまっていてそれには気づけなかった。 暫く誰も口を開かず、話そうともしない……。 でも和之さんだけは納得がいかないという表情で、不満気に煌騎を見ていた。 「よし!とりあえず場所を変えようぜ☆」 沈む空気を一変させようと気を利かせたのか、突然明るい声で流星くんが皆を促す。 すると虎汰がいつものように“流星のクセに偉そうに指図するな”と軽く返し、少しだけその場の空気が和らいだ。 彼らの機転のお陰で私も緊張の糸が解けてホッと息を吐くが、その中で一人だけ暗い影を落とす者がいて首を傾げる。 ケタケタと笑う虎汰の身体を献身的に支えていた虎子ちゃんだ……。 .
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