学校は危険がいっぱい

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. それを見て煌騎は満足そうに微笑むと再び歩き始める。 が、私たちの後をついて来る虎汰に目を向けてまた歩みを止めた。 「………虎汰、お前はついて来なくていい。さっさと帰れ」 「へっ、何で?…あ、この怪我なら大丈夫だよ?見た目ほど酷くないから♪」 一瞬キョトンとする虎汰は直ぐに笑顔で自分の軽傷具合を皆にアピールする。 でも明らかに彼の額には脂汗が浮かんでいるし、左肩を回そうとして短く声を発した。 煌騎は首を横に振ってそれを止めさせ、虎汰を静かに睨み付ける。 「ハァ……ダメだ。お前、アバラ逝ってるだろ。早く帰って健吾に診て貰え」 「―――えっ!? ……ウソ、虎汰そんな大怪我してたのッ!? 」 溜息交じりに言う彼の言葉にビックリし、私は思わず大声を出してしまう。 でも驚いたのは私一人だけだった。 皆はこういう事に慣れているのか、やはりという顔を浮かべて苦笑する。 それから朔夜さんが小声で“それ、チィにバラしちゃダメだろ…”と呆れたように呟いた。 その呟きはしっかりと煌騎の耳にも届いていたみたいで、私の真横からは深い溜息が漏れる。 振り向くと彼は渋い顔をしていて、無理を押し通す虎汰を帰す為にわざとバラしたのだと窺い知る事ができた。 「……とにかく、虎子!無理やりでも何でもいいからそいつを健吾の所へ早く連れて行け」 「……え?あっ、うん、わかったッ!!」 虎汰の世話係には虎子ちゃんが任命された。 彼女は身内だし、誰よりも虎汰の事を熟知しているからだろう。 突如名を呼ばれて彼女は少し驚くが、直ぐにコクンと頷く。 そして私たちにじゃあねと軽く手を振ると彼を担ぎ直し、半ば強引に引き摺るような形で帰っていった。 最後まで虎汰はブーブーと文句を言っていたけど、仕方がない……。 .
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