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. 「あれ?健吾さんの匂いがする……」 皆が集まる部屋の前までやってくると、何処からか消毒液のような匂いが漂ってきた。 その匂いイコール健吾さんという方程式が既に頭の中にあった私は、迷わず彼の名前を口にする。 「ん?そうか?俺はなんも匂わないけど……」 後ろに立つ流星くんは鼻をくんくんさせながら首を傾げた。 でも彼以外は匂いを敏感に感じたようで、互いに顔を見合わせている。 「おかしいな、今日はこっちに来るなんて一言も聞いてないけど……」 「虎汰がどうせ無理言って連れて来たんじゃないの?」 頭を捻る和之さんに朔夜さんが呆れ口調で言う。 だけど臆測で考えていても仕方がないので、煌騎が代表でドアノブに手を掛けてゆっくりそれを回して扉を開けた。 「「「あ!チィ、お帰り~♪」」」 パンッ、パンッ、パーンッ!!ν☆ 「―――わっ!?」 中からクラッカーの音が派手に鳴り響き、ソファに座る虎汰と虎子ちゃん、その向かいに座る健吾さんが満面の笑顔で出迎えてくれる。 けど一瞬にしてカラフルな紙屑に包まれた私は呆然としてしまった。 一緒に被害を被った煌騎も、後ろの三人も呆れた眼差しを彼らに向けている。 「何だよ、驚いたのはチィだけか~。ちぇっ!もっと派手にすりゃ良かったぁ!!」 虎汰は口を尖らせながら不満を漏らしたが、表情はとても嬉しそうで満足げだ。 一緒にいる虎子ちゃんも健吾さんも苦笑いを浮かべていることから、発案者は彼なんだろうなという事は容易に推察できた。 .
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