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校門に着くとやはりたくさんのギャラリーが私たちを待ち受けていた。
正確には白鷲の煌騎たちを、だけど……。
「相変わらず鬱陶しいわね、あの子たち……。他にすることないのかしら」
呆れ顔で虎子ちゃんが呟く。
すると男性陣が一同にうんざりした顔で“まったくだ”と頷いたので、私はそれがちょっと可笑しくてクスクス笑ってしまった。
「んじゃ、行きますか……」
「おう!今日も合図するまでチィは待機な♪」
先に降りる流星くんと虎汰はスッと立ち上がると、交互に私の頭をポンポンとして車外へ出て行く。
案の定彼らが外に出ると女の子の悲鳴に似た歓声が一気に沸き起こった。
それを窓越しに眺めながら、改めて私はスゴい人たちに拾われたんだなとつくづく思う。
続いて和之さんと朔夜さんも腰を上げると私の頭をポンポンしてから車を降りていく。
こんな皆に大事にされて本当に自分は幸せだなぁとも思ってしまった。
「チィ…大丈夫か?やっぱり今日は休んだ方がいいんじゃ……」
「―――え!? あ、違う違う!皆の人気に圧倒されただけだよ!! 本当に大丈夫♪」
あまりにボーッとし過ぎたのか心配した煌騎に顔を覗き込まれてしまう。
なので私は慌ててブンブンと首を横に振った。
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