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―――屋上で亜也斗に嫌がらせを受けてから数日が経過した。
けれど私は変わらず今日も学園の屋上に登校し続けている。
というのもあの日彼が去った後、私は皆にスゴい勢いで説得されて父の元へ戻る事を思い留まされたからだ。
どうしても不安に駆られて震え続ける私に、煌騎は辛抱強く“大丈夫だから”と言い聞かせて抱き締めてくれた。
その甲斐あって震えは徐々に収まり、前向きな思考に切り替える事ができた。
それ以降は皆に余計な心配は掛けまいと常に明るく笑顔を心掛けている。
時々煌騎と和之さんが深刻な面持ちで話し合っているのを見掛けるが、私は決まってそれに気付かないフリをした。
聞いてもどうせ彼らは教えてはくれないだろうし、事情を知ってしまえばまた心が揺らいでしまうからだ。
………私はズルい。
自分がいるだけで既に迷惑を掛けているのに、まだ彼らと離れたくないと思ってしまっている。
守って貰う価値など微塵もないというのに……。
パラソルの下で物思いに耽りながら私は机代わりのイスに突っ伏し、今日の分のパックジュース『チョコ味』を大事にストローでちびちびと飲む。
実は健吾さん命令で私は一日に1パックだけしか『チョコ味』のジュースを飲めなくなった。
理由は簡単、一日に3パックも飲んでその後盛大に鼻血を出してしまったから……。
悲しいけれど健吾さんには誰も逆らえないから仕方がない。
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