無知であるがゆえの過ち…

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. 今夜は和之さんも実家に帰っているし、流星くんは当番で繁華街を見回りに出ていていない。 けど幸い倉庫内には煌騎たちを慕うチームの子たちもたくさんいるし、何より虎汰と朔夜さんもいる。 煌騎がいなくて寂しくないと言ったら嘘になるけど、彼らがいると思うだけで随分と心強かった。 だけど時間は無情にも刻一刻と過ぎていく。 「……チィ、そろそろ寝る時間だ。向こうへ行って休め」 朔夜さんがムクッと顔を上げたかと思うと壁時計を仰ぎ見て私にそう告げる。 そして隣の寝室を顎で指してリビングの退室を促した。 煌騎のソファに膝を抱えて体育座りをしていた私は、ぷーっと頬を膨らませると自身の膝に顔を埋める。 「まだ眠くない…、起きてちゃ…ダメ?」 僅かな希望を胸にコテッと首を傾げて朔夜さんにお伺いを立ててみた。 私は屋敷を抜け出してからはまだ一人で眠った事がない。 本当は独りぼっちで眠るのが怖かったのだ。 いつも隣には優しい煌騎がいて悪夢に魘(ウナ)されて飛び起きる度、声もなく泣いてしまう私をぎゅっと抱き締めて寝つくまで背中を擦ってくれていた。 甘えすぎてしまっていると自分でも自覚はしているが、あの温もりを知ってしまったらもう独り寝などできそうにない。 私は今頃になってその事に気づき、煌騎を笑顔で送り出した事を死ぬほど後悔していた。 .
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