無知であるがゆえの過ち…

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. だけど何度ドアノブを回しても扉はピクリとも動かなかった。 どうしてだかわからない私は泣きながらも、ガチャガチャとドアノブを激しく回す。 「ど…して……?なんで開かない…のぉっ!? 早くっ……早くここ開けなきゃ朔夜さん、死んじゃうのにぃッ!!」 「あぁ、ちょっと待ちなよ。今、邪魔な障害物を取り除くから♪」 亜也斗がそう言うと何かをどさりと蹴り倒す音が外から聞こえる。 すると抵抗のなくなった扉は、自由に開閉できるようになった。 私は深呼吸を一つすると思いきってドアを開け、顔だけを覗かせて辺りをキョロキョロと窺う。 いつもの部屋なのにそこは知らない男たちが密集していて、まるで別の部屋にいるような錯覚に陥る。 そしてゆっくり下に目線を降ろせば、血塗れになった朔夜さんの痛ましい姿が横たわっていた。 「―――朔夜さ…んッ!? な…に、……これ?」 「……チィ、あれほど外には出るなって…言ったのに……っ!!」 口端から血を流し、悔しそうに顔を歪める朔夜さんを前に私は居たたまれなくなり、下唇を噛み締めて俯く。 何を言われようと外に出る決意は変わらなかったが、その所為で心を痛めているのを見るのは辛かった。 「茶番はもういいかなぁ?ほら、おチビちゃんこっちにおいでよ♪」 意地悪く笑うと亜也斗が私に手招きする。 その顔がとても恐ろしくて傍に近寄りたくはなかったけど、行かないと朔夜さんが本当に殺されちゃいそうだから、私は懸命に我慢してそちらに脚を向けた。 .
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