無知であるがゆえの過ち…

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. 「その辺でヤメとけ、亜也斗……」 その時、背後から声が聞こえた。 突然の事に目線だけをそちらに向ければ、そこには見た事のある顔の青い髪色をした男の人が立っていた。 でもその人は見たくないものから目を背けるように、眉間に皺を寄せながら顔を横に向けている。 亜也斗は彼の顔を見るなりスッと表情を消す。 「なに、今頃来といて俺に説教でもすんの?」 「違う!目的のモノは手に入れたんだ、白銀や不破が戻って来る前にここをズラかろうって言ってるんだよ!!」 青い髪の男はハッと顔を上げて取り繕うようにそう言うと、私たちの方にチラリと目を向ける。 しかし直ぐに目線を外されて周りの者たちに撤退の指示を黙々と出し始めた。 「……ちぇっ。何の気紛れか今回の襲撃は随分ノリ気で段取りから色々と率先してやってたクセに、冷めてんのなぁ……」 「どうでもいいだろ!面倒事が起こる前にさっさと戻るぞ亜也斗ッ!!」 学校で見るよりも今日は荒れた彼に疑問を感じたけど、そんな事は今はどうでも良かった。 朔夜さんとはこれで今生の別れになるかもしれない。 彼の手をぎゅっと握ってそのまま自分の額に押し付けた。 「短い間だったけど、私ここに居られて幸せだったよ!皆にお別れの挨拶ができないのは残念だけど…元気でね?」 最後にニッコリ笑うと何か言いたげな彼を無視して立ち上がる。 そして亜也斗に促されるまま、私は彼の後をついていったのだった―――…。 .
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