交差する想い

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. 《和之side》 「不破さんっ!こっちですッ!!」 緊迫した空気が流れる街角の路地裏で、流星の配下の一人で名は確か大地とかいう男に呼び止められた。 辺りは騒然としていてパトカーも何台かチラホラと見える。 現場は既に警察によって封鎖されており、私服や制服が忙しなく中を彷徨いていた。 人の波を縫って野次馬の中から抜け出すと、俺を呼び止めた男の後を追って別の裏手路地に身を潜める。 「陣馬さんは都内の病院に運ばれ、処置を受けてますが大丈夫ですッ!! 今、虎汰さんが付き添ってくれてます」 「さすが虎汰、早いな。で、……命に別状はないんだな?」 人目を避けるように肩を並べながら確認の為に問えば、そいつは緊張した顔を滲ませつつもコクンと頷く。 そして詳しく状況説明してもいいか目で窺う。 それに直ぐさま俺も頷くと目の前の男、大地は額の汗を拭いながらも口を開いた。 「例によってサラリーマンがボコられてるトコに遭遇し、俺らも応戦していたんですが途中から横ヤリが入ってきて……」 「横ヤリ……?誰だ、複数か……?」 首を傾げ尋ねると大地は頭を横に振る。 悔しそうに拳を作り、もう片方の掌でパシンッと打って怒りをぶつけた。 「あのヤローですっ!蛇黒のNo.2吉良悠真ッ!! アイツが行き成り不意を突いて背後から襲って来やがって……」
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