交差する想い

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. 大地はこくんと頷くとチームの現状を事細かに説明した。 現在流星は都内の大病院で警察から事情聴取を受けているらしい。しかしそれは怪我の様子を診ながらなので、あまり進行していないとのこと。 付き添っていた虎汰は現在、俺と和之が不在のため溜まり場で陣頭指揮を代行している。 そして亜也斗襲撃の際に負傷した多くは、既に駆けつけた健吾が治療に当たっているという。 その中には朔夜もいて、長時間亜也斗と対峙した為に見た目以上にボロボロで即入院が必要らしいのだが、奴は頑なにそれを拒んでいるらしかった。 おそらく自分の所為でチィが連れ去られたと悔やんでいるのだろう……。 元から朔夜は非戦闘員だった。頭脳を買われてチームに入ったあいつを、責める者など誰一人としていなかったのだが、何より自分自身が許せないに違いない。 俺がチィの傍を離れたが為に、あいつのなけなしのプライドまでズタズタに引き裂いてしまったのだ。 途端に苦虫を噛み潰したような顔になり、俺は近くの壁を力一杯に殴り付けた。 「そ、それから蛇黒に所属する彼氏を持つ女に接触していた虎子さんの情報ですが……」 気不味げに大地は話の先を続ける。今は一刻の猶予もないからだ。 早くチィを助け出してやらなければならない。 それはチーム全体の願いでもあった。 「実は蛇黒のチーム内で妙な噂が立っているらしいんです」 「妙な噂……?」 再びこくんと頷いた大地に俺は目線だけで先を促す。 数日前から虎子の願いで蛇黒の内部を、女を通じて探らせていた。 .
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