私は誰ですか?

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. そして私に向き直るとまた頭を撫で、優しく語り掛けるように言った。 「チィ、俺たちは少し出掛けてくる。その間お前は流星たちと買い物に行ってこい」 「……え、買い物?」 「あぁ、お前のモノを買い揃える必要がある。ここは男所帯だからな、何もない。ついでに飯も食ってこいよ」 そう言って煌騎は自分の後ろポケットを探ると、何かを取り出してそれを私に渡して寄越す。 見ると手渡されたのは立派な横長の財布で、また17才の未成年が持つには随分と厚みのある代物だった。 「足りなければ中に入ってるカードを使え。使い方は流星か虎汰が知ってる」 任せたぞと煌騎が前に座る二人に目をやると、流星くんたちは勢いよく頷いた。 「―――ま、待ってっ!? 私、こんな事までして貰う理由ないっ!だってまだ知り合ったばかりなのに……っ」 慌てる私に、けれど彼は差し出した財布を引っ込める事はしなかった。 その財布を強く握らせるとゆっくり首を横に振る。 .
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