私は誰ですか?

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. 私は無理に笑顔を創るとこっそり唇を噛み、煌騎たちの後ろ姿を見送った。 後に残されたのはゆるふわ金髪ヘアの虎汰と、赤い髪がピンピン跳ねた流星くんだけだ。 知らず身体が緊張に強張った。 「そんなに緊張しないでよ、チィ~っ」 「俺ら、見た目は怖いかもしれないけど内面はすっげーピュアなんだぜ?」 何のフォローかよく分からないが、虎汰と流星くんが必死に言い募る。 その言葉にちょっとおかしくなってプッと吹き出すと、二人は安心したようにホッと息を吐いた。 「やっとチィが俺らにも笑ってくれたぁ~っ!」 「さっきから煌騎しか見えてない感じだったもんなっ♪」 そう言って本当に嬉しそうに笑みを浮かべる二人。 心から私が笑った事を喜んでいるようだった。 途端に私は申し訳ない気持ちになる。 怯えが先に立ってしまって、あまり周りをよく見てなかった。 彼らはこんなにもよくしてくれているのに、私はなんて愚かだったんだろう……。 .
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