私は誰ですか?

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. 「あの、私…ごめんなさいっ」 「え、ちょっ―――…」 罪悪感が募り居たたまれなくなって俯くと、虎汰たちがまた慌てた。 私、彼らを困らせてばかりいるみたいだ。 「こら、謝るの禁止っ!」 「そうだよ!それに敬語も禁止だって言ったよね?俺たちには気軽に話してよ♪ ね?」 「………う…うん…」 虎汰たちの申し出に躊躇うが、本心からそう願ってくれているようなので素直に頷く。 すると二人も今度こそ安心して笑う。 「んじゃ、俺らもそろそろ出掛けるか。時間が時間だし、ゆっくりもしてられない!」 そう言って流星くんは壁に掛けられた時計を見ながら立ち上がった。 今の時刻は18時07分……。 お店はまだ開いているだろうが、急がないといろいろ見て回れないかもしれない。 釣られて立ち上がろうとすると、ふと自分が裸足だったということに気づく。 これじゃ出掛けられない。 でも自分の靴は持っていないし、どうしようと虎汰たちを仰ぎ見た。 「あ、そっか。チィ、裸足だったね。どうしようか?」 私の視線に気づいた虎汰が思案しながら流星くんを振り返る。 .
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