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考えたくはないけど要するに、二人は毎回ワザとケンカを振っ掛け合ってたってこと……なのかな?
いや、そんな傍から見れば迷惑極まりないようなこと、優しい彼らがするハズがない。
…………でも、
このままモヤモヤするのも嫌なので、思いきってそのまま二人に聞いてみることにした。
「……二人は、ふざけ合ってただけってこと?」
「そっ!チィ大正解っ♪」
「ま、今回は背のこと言われたからマジでキレかけたけど……」
拗ねたように虎汰が言うと、流星くんが少し慌てて“ワルい、調子にノッた”と謝った。
どうやら彼らの中にも暗黙のルールというものはあるらしい。
何が基準かは定かではないが、限度を越える発言はタブーのようだ。
私にはよく分からない世界だと思った。
とにかく、本気のケンカじゃなくて良かったと一安心。
「だけど心臓が保たないので、今後は私の見てない処でやって貰えると助かる……カナ」
囁かな願いを口にすると、二人は何とも言い難いような表情をして“善処する”とだけ答えた。
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