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「うわっ、そろそろ出ないとマジでヤバいっ!? 下に煌騎が車残して行ってくれてるだろうから行こう!」
流星くんがもう一度壁に掛けられた時計を見て言うと、虎汰が“だね♪”と相槌を打つ。
私もコクンと頷くと三人は漸く入口のドアを潜った。
「でもさぁ、よく考えたらチィに必要なモノって……何?」
「―――えっ!? そりゃ服とか下着とか後は…日用品じゃねーの?」
歩きながらの虎汰の質問に、流星くんが率直に答えた。
しかし例えが大雑把すぎて、何を買い揃えればいいのか私も分からない。
平行して歩く虎汰も同じことを思ったのか更に頭を捻っている。
「う~ん。つか、俺たちのセンスで選んじゃっていーのか?」
「―――あ……、」
進んでいた脚がピタリと止まり、流星くんが静止状態になる。
突然のことに顔を見上げると、彼は顔面蒼白とも言える表情をしていた。
「……絶対ムリッ!? 俺、あいつの好みとか知らねーよっ!」
「だよね、俺も知らない。変なの買ったらそれこそ何言われるか……」
溜息混じりに虎汰がぼそりと呟いた。
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