彼らはモンスターっ!?

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. 二人は何を思い出したのか急にぶるりと身を震わせる。 私はその光景をただ呆然と見ていた。 確かにお金は煌騎に出して貰うのだし、少しは彼の好みを取り入れた方がいいのかもしれない。 でもそこまで服選びに躊躇するものでもないように思う。 二人は何をそんなに恐れているのだろう? 「―――ちょっと!いつまで待たせる気なのよッ!? 早く出て来なさい!!」 考えに耽っていたら廊下の先の吹き抜け下から、透き通るような可愛らしい女の子の声が聞こえた。 けれど声の主は怒っているようで、その声は少し怒気を含んでいる。 虎汰と流星くんはその声に反応すると、顔を見合わせて深い溜息を吐いた。 「何で帰ったハズのあいつがまた来んだっ!?」 「……知んないよ、こっちが聞きたい。とりあえず下行こっ」 げんなりする虎汰に急かされ、階段を降りる私たち。(私は流星くんに抱っこされたままだから楽だけど……) 揺れる振動を感じながらキョロキョロ周りを窺うと、どうやらここは家ではなく何かの倉庫らしい事に気づく。 .
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