彼らはモンスターっ!?

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. 鉄晒しの階段をカンカンとリズミカルに降りていくと、この倉庫の大きなメイン入口だろう扉の前に何故かもう一人の虎汰がいた。 でもその人物は女物の格好をしている。 (……あ、もしかして虎汰の双子の妹かな?) 私たちの姿を見るなり女の子は腰に手を置き、虎汰に瓜二つな愛らしい頬をぷくっと膨らませてこちらを睨みつけた。 「遅いっ、2人共っ!この虎子さまを待たせるなんて100年早いのよっ!!」 「はぁっ!? 何言ってんの?別に俺ら待たしてねーしっ!」 「つか、虎子お前一回帰ったろ。どーしてまた来た?」 怒る虎子ちゃん?相手に虎汰は不機嫌に答え、流星くんはやんわりとだけどドコか突き放した物の言い方をした。 兄妹である虎汰の対応は何となく分かるけど、どうして流星くんまで……? 「ンギャーッ!? てか、何で流星がその子抱っこしてんのよっ!? 虎汰あんた男でしょ?あんたが抱っこしなさいよっ!!」 二人の言葉を無視して私の所在を見るなり、大仰に奇声を上げる虎子ちゃん。 (………何か、分かっちゃった) 彼女は流星くんのことが好きなのかもしれない……。 .
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