彼らはモンスターっ!?

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. どうやら根回しのいい和之さんがここを去る際、あらかじめ連絡を入れてくれていたようだった。 私の物を買い揃えるのなら男二人では荷が重いと考えたのだろう。 その言葉に何も言い返せない二人……。 悔しそうに唇を噛み、虎子ちゃんを睨む。 「ふふん、残念だったわね♪」 勝ち誇ったように鼻を鳴らすと彼女は踵を返し、行くわよと言い捨ててスタスタと外に向かって歩き出した。 反論の余地がない虎汰たちは渋々その後をついていく。 「……んだよ、この展開。やっぱ納得いかねぇ」 「右に同じく……」 まだぶつぶつと小声で文句を言う虎汰に、流星くんがこれでもかというくらいブンブンと頷き返す。 私はそれが何故だか無性におかしくて、クスクスと笑った。 「………まぁ、チィが笑ってるから良しとするか」 「……だな」 苦笑いを浮かべる二人に私は更に笑みが深くなる。 何だかんだ言ってやっぱり二人は心優しい男の子たちだと思った。 .
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