彼らはモンスターっ!?

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. けれど去り際に気の強かった女の子が私にだけ聞こえるよう何事かを囁いていった。 その言葉がやけに耳に残る。 『どういう経緯で白鷲に取り入ったか知らないけど、煌騎さまには既に決められた方がいるのをご存じ?せいぜい遊ばれて捨てられるといいわっ!! 』 そう、彼女は私に言ったのだ……。 聞きようによってはただの悔し紛れだったのかもしれない。 でも私はそれを上手く聞き流せなかった。 ―――いつか時が経てば、私は煌騎に捨てられるのかもしれない……。 そんな言い知れない不安が胸を締め付ける。 「……チィ、怖かったでしょ?離れててごめんね!」 黙ったままうつむいていると、虎子ちゃんがぎゅっと抱き締めてくれた。 突然の抱擁に少し驚いたが、その暖かな温もりにホッと安堵の息を吐く。 両側を見れば事の結末を見届けた流星くんたちが、急いで駆けつけてくれて心配そうに私の顔を覗き込んでいた。 それで今更ながらに自分の身体が小刻みに震えているのだと気づく。 何だか急におかしくなってクスクスと笑いが漏れた。 私は人が死ぬほど怖い……。 それは今まで負の感情しか向けられた事がなかったからだ。 .
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