彼らはモンスターっ!?

13/33
前へ
/325ページ
次へ
. 長い間、私は狭い世界に閉じ込められ、父や母と信じた人たちから謂れのない激情をぶつけられてきた。 でもほんのちょっと勇気を出せば、世界は大きく変わる。 広い世界は私を傷つけもするだろう。 だけどこうして助けてくれる大切な存在も授けてくれる。 素晴らしい世界だと思った。 「……どした、チィ。大丈夫か?」 虎汰は震えているのにクスクスと笑う私に首を傾げ、心配そうに頭を撫でてくれる。 反対側にいる流星くんはどうしたらいいのか分からない様子で、まるで子どもの頃に一度だけ見た動物園のライオンのように右往左往していた。 「やっぱり俺たちが傍に張り付いてれば良かった……」 流星くんが後悔しきりにそう呟くと、私を抱き締めていた虎子ちゃんが“冗談言わないで”と慌てて顔を上げた。 それから口を手で押さえて辺りをキョロキョロ見回し、とりあえず人目があるからと私たちは店を出る。 「……まったく、バカ言わないでよ! せっかく女の子同士でショッピング楽しんでたのに邪魔する気っ!? 」 路上に出るなり振り返り、虎子ちゃんは男二人に怒りを露にした。 .
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1036人が本棚に入れています
本棚に追加