彼らはモンスターっ!?

16/33
前へ
/325ページ
次へ
. 「………で?さっき、あのバカ女はチィに何を吹き込んでいったのカナ?」 「―――えっ!? 」 可愛い笑顔から一転、真剣な表情になった虎子ちゃんはぐっと顔を近づけてきた。 そのあまりの近さに別の意味で胸がドキドキする。 でもまさか気付かれていたとは思わなかったので、私はわたわたと挙動不審に狼狽えた。 「え、えっと…何のことかな……」 「アラ、私を誤魔化せると思ってる?たぶん虎汰も気づいてるよ。だから私に譲ってくれたのよ」 そっと虎子ちゃんが後ろに目線をやり、釣られて私も振り返ると、後方の虎汰と流星くんが並んで手を振り返してくれる。 しかし大きく振る虎汰の肘が流星くんの頭部に当たり、二人はケンカを始めてしまう。 一見ふざけあってるようにも見えるが、意識は常に周りを向いていて神経を尖らせているみたいだった。 「アハハ☆バカな奴らっ♪ま、流星は天然なトコあるからわかんないんだけどね……」 苦笑気味に笑うと虎子ちゃんはまた私を見た。 けどそれ以上はもう何も言わない。 恐らく私が自発的に言うのを待っているのだろう。 彼女には敵わないなぁ…と思った。 .
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1036人が本棚に入れています
本棚に追加