彼らはモンスターっ!?

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. すると虎汰たちのお母さんとお父さんはニコニコと笑って、まるで幼い子供にでもするように私の頭を交互に撫でた。 「うん、宜しくね♪でもあんた細っこいね?ちゃんとご飯食べてる?」 「確かに……。どした、お前たち。ずいぶん毛色の違う子を連れてるじゃないか。ハッ!まさかっ――…!?」 先ほどからあまりに私がビクビクと怯えているのを見て勘違いしたお父さんが、虎汰たちが無理やり連れて来たのではと顔色を変えて彼らの胸ぐらを引っ掴む。 それを見た私は慌てて止めに入った。 「―――ち、違いますっ!? ここへは自分の意思で来ました!だから虎汰たちを叱らないでっ!?」 「へっ、違うのかっ!? 」 「―――違ぇよ!…ったく。離せよ、バカ親父っ!! 」 虎汰はお父さんの腕を振り払い、力いっぱい握り締められてシワシワになったTシャツを懸命に伸ばす。 でもそれは元には戻らず、ヨレヨレのままだった。 「あ゙~、コレお気に入りだったのに……」 目にうっすらと涙を浮かべる彼に申し訳ない気持ちが募り、私の所為でごめんねと謝ると虎汰はブンブン首を横に振った。 これは早とちりしたお父さんの所為だから、私が気にする必要はないと言って……。 .
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