彼らはモンスターっ!?

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. それに謝らなければならないのはむしろ私の方かもしれない。 虎子ちゃんがレジに向かう際、決して自分からは離れないようにと忠告されたのに、目新しい物に惹かれてフラフラとしてしまったのだ。 そのことを詫びると虎子ちゃんがそれは違うと首を振る。 「チィは何も知らないんだもん、あれは完璧に私の責任っ!チィから目を離しちゃいけなかったのに……」 「ううん、いくら事情を知らなくても言い付けを守らなかったのは私だからっ―――…」 「まぁ、誰の責任とか云々は置いといて……先に説明しちまおーぜ?じゃないと話が進まない」 私たちが互いに謝り合っていると、流星くんが呆れたように口を挟んだ。 彼にしてはもっともな意見に虎子ちゃんも私も目を点にさせ、顔を見合せてからそれもそうだと苦笑し合って頷いた。 するとまずは虎汰から口を開く。 「今日、チィに声を掛けてきた奴らは俺ら、“白鷲”の熱狂的なファンの一部なんだ」 「……ファン?……一部?」 「そ、この街じゃ“白鷲”はけっこー有名でさ。その名を知らない奴はいないに等しい」 そう誇らしげに流星くんが言う。 .
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