彼らはモンスターっ!?

28/33
前へ
/325ページ
次へ
. 一瞬からかわれたのかと思ったがどうやらそうではなく、自分でも気がつかない内にうんうんと頻りに頷いていたらしい。 虎汰に教えられてまたもや私の顔は真っ赤になってしまった。 「チィは本当にかわいいなぁ♪」 流星くんは緩みまくった顔で微笑みながら私の頭を撫でてくれる。 でも皆に笑われてちっとも嬉しくなかった。 せめてもの抵抗にぷくっと頬を膨らませ、そっぽを向いてみる。 だけど笑いはなかなか鎮まることがなかった。 「ハァ……。でも、チィには悪いけどこいつらのこと本気で優しいと思ってるの、あんただけよ?」 漸く笑いが収まった頃、虎子ちゃんが目に溜まった涙を拭いながら言う。 その言葉にさっきまで笑っていた虎汰も流星くんも、気まずそうに私から目を反らせた。 「……どういう…意味?」 「んー、極端な話……皆はこいつらが笑うことのできる人間だとは思ってないってゆーか……」 「…………?」 その曖昧な返答に私の頭は更に混乱する。 だって今しがたまで彼らはあんなにたくさん笑っていたのに……。 和之さんや朔夜さん、煌騎だってそうだ。 溜まり場ではみんな優しかったのに、どうして……? .
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1036人が本棚に入れています
本棚に追加