彼らはモンスターっ!?

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. なんだか哀しくなってうつむいていると、追い討ちをかけるように虎子ちゃんが言葉を続けた。 「いずれ分かると思うから言うけど、彼らが世間で何て呼ばれてるか知ってる?白鷲の幹部5人は血も涙もない“モンスター”だって呼ばれてるの」 「―――モ……モンスターッ!? 」 それは私にとってあまりにショックの大きいものだった。 慕う者が大勢いるというのに、その誰もが彼らを“モンスター”と呼ぶなんて……!? 遂には我慢できなくなって両目からポロポロと涙が溢れ出した。 慌てたのは向かいに座る、今は年相応に見える男の子二人。 流星くんはおろおろと慌てふためき、虎汰は苦虫を噛み潰したみたいに顔を顰め、頭をガシガシと掻き毟る。 泣いたりしたら彼らを困らせるだけだと分かっているのに、私の涙は止まることを知らない。 すると斜め前に座る虎汰がなんだか苦しそうに顔を歪め、こちらを覗き込んできた。 「チィ、哀しませてごめんな?別に騙してたワケじゃないんだけど俺たち、人前じゃあまり笑わないんだ」 「“白鷲”はあまりにデカく成り過ぎた。今じゃ傘下も加えると軽く五万は越えるチームだ」 流星くんも苦しそうに顔を歪めてこちらを見る。 .
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