彼らはモンスターっ!?

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. 確かに倉庫を出る際に和之さんがおにぎりを残していってくれてて、私はそれを車内で軽く摘まんだ。 だからお腹が物凄く空いてるというワケじゃない。 でもまだ食べられる余裕は少しある。 私はプルプルと首を横に振った。 「ううん。食べたいけど、どれから食べればいいのか……」 「プッ、なんだソレ!好きなもんから食べりゃいいじゃん♪」 「そーだよ♪あ、俺の唐揚げ一個あげる!ハイ、ア~ン☆」 流星くんはニコニコと笑い、虎汰は私の口よりも遥かに大きい唐揚げを食べさせようと、お箸に摘まんで突き出す。 それをどうしたらいいのか分からず、私は咄嗟に目の前の唐揚げにカプッと噛みついた。 「か、かわいい……」 「ズリィぞ、虎汰!俺も俺も♪ホラ、チィこっちのが美味ぇぞっ!」 対抗心に燃えた流星くんが自分の皿から熱々のドリアをスプーンで掬い、少し冷まさせてから私に食べさせようと差し出す。 けれど口にはまだ大きな唐揚げを咥えていて食べられない。 助けを求めるように隣を見ると虎子ちゃんは苦笑を零し、身を乗り出して瞬く間にそれをパクリと口の中に放り込んだ。 「―――あっ!? テメェ、何しやがんだよっ!? 」 .
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