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ハザードランプを点灯させて寄せてきたタクシーにボンボンが乗ると、私も一緒に乗り込んだ。ドアが閉まる前に湾岸に出来た新しいホテルの名を叫ぶ。ボンボンもタクシー運転手も少し驚いたようだったが構わなかった。ボンボンに上目遣いで、駄目?、と甘えるように見つめるとボンボンはにっこり笑って、いいよ、と返事をした。車はそれを聞くと動き出す。 窓から歩道を眺めるとセンセイは製薬会社の女性と歩いていた。二人を追い越すようにタクシーは走る。センセイはこちらを見ていたように思う。でも車のスピードは思った以上に速くて、センセイが隣を歩く彼女を見ていたのかタクシーの中にいる私を見たのかは分からない。
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