お話.2

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「ごめん。嘘」 「えっ?」 何が? っていうか芦田君、ここにいたのってあたしの事待ってたのかな。 それより……手、そのままなんだけど…… 掴まれた手が、段々と熱を帯びていく。 意味が分からないあたしをよそに、芦田君は少し笑みを浮かべていた。 あたしの顔によっぽどハテナマークが多かったのか、芦田君が口を開いた。 「担任に呼ばれたなんて、嘘」 …え? 何でそんな嘘つくの? 真っ直ぐ芦田君の顔を見ると、少し眉を下げて笑っていた。
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