お話.2

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「話って…」 あたし達しかいない職員室前の廊下は、シンとしていてあたしのわずかな声も響いた。 「とりあえず話長くなりそうだから、島崎に連絡して断っといた方がいいと思うよ」 …なんであたしとあゆが、約束してるって知ってるの? 「昼休み教室中に聞こえてた」 芦田君は真顔のまま、またあたしの疑問を勝手に消化してくれた。 あたしが分かりやすいのか芦田君がエスパーなのか、そんなのは今はどうでもよくて。 「話ってそんなに時間かかる?」 あゆとの約束を断る勇気なんてないあたしは、恐る恐る芦田君を見上げる。 「うん。だから断って」 至って真剣な表情をしている芦田君を見ると、あたしが悪い気がして 「…分かった」 と、気付いたら勝手に口が言ってしまっていた。
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