お話.3

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「雪香、今日あたしバイトだからね」 「えー!今日駅前のイルミネーション見ながら、アイス食べようと思ったのにー」 「明日なら付き合ってあげるから」 今日の頭の中で計画していた事が、放課後のチャイムと共にあゆに言われたことで、すべて水の泡になってしまった。 クリスマスまで1ヶ月をきった今、駅前の木々に飾られてるイルミネーションは結構綺麗。 はぁー… 明日か… 見る気満々だった気分は一気に降下して、やさぐれた気持ちになった。 「じゃね」 「頑張ってね」 そそくさと身支度をして帰るあゆに手を振り、自分も帰る用意をする。 はあ…… ちょっとした憧れシチュエーションがあるんだけどなあ。 イルミネーション見てたら、ぶつかってあっごめんなさいとか言って、大丈夫?なんて言われて… 「…島」 良かったら連絡先教えてなんて言われて… 「大島」 へっ? 妄想の世界にトリップしていたあたしは、名前をを呼ぶ声によって引き戻された。
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