お話.3

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「行こ」 そう言うと芦田君は、あたしの横から足を進めてしまった。 えっ、あたしの返事の有無は関係なしですか。 芦田君行っちゃったけど、ついて来いって事!? あたし行くなんて言ってないよね? 何が起きているかあまり把握できてないけど、断るにしても芦田君を追いかけなくちゃ…! 急いで鞄を手にとって彼を追いかけようとして、ふと、周りの視線が気になった。 ぎゃっ! 女子の皆さんの冷たい視線が、ビシビシと突き刺さる。 さ…さすがイケメン君。 声を掛けられるだけで、こんなにも注目をあびるとは… 普段仲のいいクラスの女子も、色事だと別なようで。 違うんだってば~っと言う表情を浮かべながら、芦田君を追って教室を出た。
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