お話.3

10/22
前へ
/196ページ
次へ
急いで教室のドアを開けて、芦田君の後を追う。 あれ? どこ行っちゃったんだろう? 廊下を走るけど、芦田君の姿が見えない。 「わっ」 廊下の曲がり角を勢い良く曲がると、壁にもたれている芦田君に、ぶつかりそうになった。 ビックリした…… 息を切らしながら、驚いて口が開いたままのあたし。 そんなあたしを見て、芦田君はフッと笑った。 「来ると思った」 「え?」 「無理やりでも俺について来てくれると思った」 柔く、ふわっと笑う。 芦田君、笑顔可愛いなー… って! あたし何見とれちゃってるの! 「芦田君!あたし行かないからね」 断りにきたんだよ、あたし。
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1258人が本棚に入れています
本棚に追加