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「芦田君……あんまりみんなの前でさっきみたいなこと…やめてくれないかな」
玄関で上履きからローファーに履き替えながら、おずおずと言った。
「さっきって?」
「だから…!その、手、繋いだりとか…」
若干鼻息を荒くしながら、必死に抗議する。
「フッ。分かった」
そんなあたしを見て、控えめに笑う芦田君。
なんか……わざとやってる?
あたしのこと、からかってるんじゃないの?
「ねぇ、芦田君。からかうなら別の人でやって」
からかわれてると思うと沸々と怒りが込み上げてきて、睨みをきかせて芦田君の目を見た。
のに。
彼の瞳は、あたしを真っ直ぐ見ていて。
「俺、大島にしかしないけど」
「…っ」
嘘には見えない、彼の意思が伝わる瞳。
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