お話.1

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「じゃあ合コンとか行けば?」 「それは嫌っ!」 思いっきり立ち上がったせいで、椅子が後ろの席にガタンと勢いよく当たった。 「あっ、ごめんね」 慌てて後ろを見ると椅子が倒れて、後ろの席がズレてしまった。 「ん、いいよ」 直そうと机に触ろうとしたら、先に机の主に直されてしまった。 「ごめんね」 もう一度謝ってから、あゆの方に体をむき直した。 「相変わらず無愛想な奴」 あゆの視線は、あたしの後ろにあった。 「そんな事言ったらダメだよ」 あたしは慌てて、あゆに小声で言った。 チラッと後ろを見ると、ほかの男子と楽しそうに話していて、聞こえていないみたいだった。 ほっと胸を撫で下ろしていると、あゆがまた口を開いた。 「アイツって男子とは普通に話すのに、女子にはそっけないよねー」 「確かに…」 「顔はいいのに勿体無い」 んー。確かに身長も高いし、顔もカッコイイと思う。 でも後ろの席の、芦田優君は女子とはあんまり話さない。
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