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「んーとね、例えば駅で定期券を落としちゃってそれを拾ってもらったとか、ナンパされてる所を助けてもらったとかかな」
頭の中で妄想を繰り広げながら、ニヤニヤしていると、そんなあたしを見て「きもっ」とあゆが言った。
「雪香、小説やテレビじゃあるまいし、現実でそんな事あると思ってるの?」
「うっ…」
「妄想しすぎ。そんなだから恋なんてできないんだよ」
うぅ…
「今年もクリスマス独りでいいの?」
ぐぅのねもでないとはこの事なんだと、人生で初めて経験した。
頭ごと、机にうなだれるあたしを見かねたのか
「今日、福の友達と遊ぶ?」
と、少し笑いを含んだ口で言った。
「え」
「合コンじゃないからいいでしょ?」
ん…まぁ、そうだけど…
ちなみに福とは、あゆの彼氏だ。
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