五木の子守歌を例にとる。

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子守奉公のヒロインの年季は、今年の盆までだった。いや、盆までのはずだった。 (あとから解説するが、少女は盆に帰れなかった) もうすぐお盆だ。 おとっ様が迎えに来て家に帰れるぞ。 少女の期待は膨らむ。 一番の歌詞はそれを歌ったのである。 背中の赤ん坊に語りかける形を取って。 くそガキめ。 今は仕事だから、ガマンしてお前を、あやしてやっているが、私の年季は盆までだ。 盆を過ぎたら、お前みたいな可愛げのないガキ、誰があやしてくれようか。 ザマアカンカン。 ああ早くお盆が来ないかなあ。
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