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……結局は寝た。 ファミレスでコーヒーを1杯飲んだ後は近場の安いビジネスホテルに移動する。 配送業をしているという男は首にゴールドのネックレスをし、猛々しい筋肉を身に纏っていた。最中に私を軽々と抱き上げる、ゴツい手で私を組み伏せる。 少し荒い抱き方だったが、男らしいと言えば聞こえはいい。時々、気持ちいいだろ?、大きいか?、と私に確認するから仕方なく、いい、大きい、と適当に相槌を打った。いかにも俺が気持ち良くさせてるんだ、俺は凄い男だと言わんばかりで、私は冷めた。面倒な男……いや、男は大抵そうだ。ベッドの上では自分のブツを自慢する。 男の顔が渋くなり動きが激しくなる。私に覆いかぶさり、果てる。この瞬間はどの男も同じだ、男に取ってもきっと雑種も血統書付きも変わらないだろう。そして私はその瞬間だけは好きなのだ。
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