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連続するカーブを走り、紅葉の度合いは標高に比例して濃くなって行く。ひたすら木々の中を進む。掛けていた音楽CDが一周したのか、部長はボタンを押してCDを止めた。 「ダッシュボックスにCDがある。小川の好みのものがあればいいんだが」 助手席の目の前にあるボックスの蓋を開ける。そこには十数枚のCDがあった。 「部長、アイドル好きですか?」 「まあ、流行りものだからな。洋楽もあるだろう?」 国内の女性アイドルグループや男性ユニット、洋楽、ジャズ、クラシックのイージーリスニングとジャンルはバラバラ。無いのは演歌ぐらいだった。割りと若者向けのライン、私に気遣って揃えたのかもしれない。
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