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「うちのマンションに来ないか?」
宇都宮に来いと言ったのはそれが狙いだとがっかりした。楢和部長がそんな浅はかな思考をする持ち主だとは思わなかったから。
私は呆れて返事もせずにいた。
「勘違いするな。ケーキを食べるだけだ」
「男は皆そう言います」
「合コンとやらで知り合う連中と一緒にするな」
「そうでしょうか」
大人の男は狡い。誠実そうにして私を騙す。あからさまにホテルに誘う連中の方がまだマシだ。地主ボンボンのように愛人として君が必要だと正面から宣言するほうがどれだけ勇ましいか。
「お前は襲わない。約束する」
「……」
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