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しかしすぐに自分の置かれた状況を客観視して私は小さくため息をつく。特に今夜はそうだった、安いビジネスホテルで自身を自慢するだけの男と寝たことを後悔した。何故ならこの男は私を恋人にする気は無いと思ったし、私も恋人にしたいとは思わなかった。ファミレスで私には何も聞かず店員にドリンクバーだけを注文し、私にコーヒーを運ばせた時点でそう感じた。
自分でも何故応じてしまったかは分からないが、自分の勘は当たってたことには満足した。味気無いシングルベッドであの自慢げなトークを聞かせる、私をぞんざいに扱う男。
「なあ。また会いたいって言ったら、ストレート過ぎか?」
「……」
会いたいじゃなくてヤりたいの言い間違いだと言ってやりたかった。
「こんな所じゃなければね」
「なら俺のトラックの荷台はどうだ?」
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