『死神島』 2

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黒天使 『死神島』1 募集と参加 「おおーーー♪ よう来たノゥ♪」 真壁家の玄関。むすっとした表情でやってきたサクラを、飛鳥がめずらしく玄関まで出迎えた。 「全く…… この世の中でサクラちゃん呼びつけるのはおのれだけじゃ!」  サクラは「麦茶とお菓子!」と要求、ツカツカと二階の自分の部屋に上がっていった。真壁家の二階の六畳間は正式にサクラが間借りしている正真正銘サクラの部屋である。  サクラが寝転んでお茶とお菓子がくるのを待っていると、めずらしく愛想笑いを浮かべた飛鳥がよく冷えたコーラと山盛りのお菓子をもって上がってきた。それを見たサクラは明らかに警戒色を見せた。 飛鳥に呼び出されしかも愛想良くしかもお菓子を山盛り持ってくるときは大抵無理難題であることが多い。    サクラは仏頂面で座り直した。 「今度は何させる気じゃ!」 「クイズやっ!!」 「クイズぅ!!??」 「これ見てみいっ!!」  そういうと飛鳥はサクラを自室……隣りだが……に呼び、テレビをつけ、録画してあった映像を再生させた。映し出されたのはワイドショーの番組告知のようだ。 『すごい企画ですねー!』 『開局特別記念、特別推理バラエティー、<紫ノ上島事件の謎に挑め!>です。30年前起きた紫ノ上島連続殺人事件……それを犯罪のプロフェッショナルたちと一緒に謎を解いていく特別番組です』 『謎は本当に解明されるんですか!?』 『それは全て、参加者たちにかかっています! ヤラセなし、完全解明を目指す、本格ミステリー番組なんです』 『すごいですねー』 『しかも、今回は一般人参加者も募集ですっ! 知能、閃き、洞察力……そして運! それらに自信のある方はこちらのURLにアクセスを! 選定クイズ30問……我こそはと思う方の挑戦待ちしております!』  そして番組告知は終わり録画もここまでだった。
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